相続登記の必要書類は?(遺言書がある場合)
こんにちは、「相続・遺言専門の相談窓口」東静岡事務所の望月です。
前回の記事でもご説明させていただきましたが、相続による名義変更の登記をするためにはたくさんの書類を集める必要があります。
そして「遺言書がある場合」と「遺言書がない場合」とで集める書類が異なる点にも注意が必要です。
上記の2つのパターンのうち、今回は「遺言書がある場合」の相続登記の必要書類の解説をしていきたいと思います
遺言書がある場合の相続登記の必要書類
遺言書がある場合、その遺言書の中で指定された相続人や、相続人以外の受遺者が不動産を取得することとなります。
つまり、通常の相続の場合とは異なり、相続人全員による遺産分割協議が必要ではなくなるのです。
※遺言書による不動産の名義変更などの相続手続をするためには、前提としてその遺言書が法律上の要件を満たす有効なものである必要があります。
さらに、通常の相続と異なる大きなポイントとしては、お亡くなりになった方の「出生から死亡までの連続した全ての戸籍」が必要ではなくなるといった点が挙げられます。
※下記の必要書類欄にて詳述しますが、お亡くなりになった方の「死亡の記載のある戸籍(除籍謄本)」は通常の相続と同様に必要となります。
「死亡の記載のある戸籍(除籍謄本)」ならびに、遺言書により相続分の指定を受けた方が、相続が開始した時点において適法な相続人だということが証明できる戸籍謄本があれば、それ以外の戸籍謄本(除籍や改製原戸籍)は不要であるため、このような取り扱いがされています。
それでは、必要書類を具体的に解説していきます。
お亡くなりになった方(被相続人)に関して必要となるもの
1.お亡くなりになった旨の記載がある戸籍謄本(除籍謄本)
被相続人の死亡の旨が記載された戸籍謄本(または除籍謄本)です。
※こちらは通常の相続と同様に必要となります。
2.住民票の除票(もしくは、戸籍の附票)
相続手続きにおける「住民票の除票」とは、お亡くなりになった方の死亡の記載がある住民票のことです。
※本籍地を特定することが必要ですので、「本籍地の省略のないもの」をご用意ください。
役所の取り扱い上、住民票は除票になってから5年の保存期限が経過してしまうと破棄され取得できなくなってしまいます。
このように住民票の除票の取得が不可能な場合には、戸籍の附票を取得するなどして対応します。
3.遺言書(公正証書遺言・自筆証書遺言など)
「公正証書の方式により作成された遺言」がある場合は、相続が開始した後、ただちに相続手続きをすることができます。
※公正証書遺言とは、公証役場などで公証人の関与のもと、作成される遺言のことを言います。
一方、「自筆証書の方式により作成された遺言」については、まず家庭裁判所で検認と呼ばれる手続きをを経て、その検認済証明書を付したものが必要となります。
※自筆証書遺言とは、公証人の関与を要せずに全て自分自身で作成した遺言書のことを指します。
「遺言書の検認の手続き」に関しましても、当事務所にてお手伝いさせていただくことができますのでお気軽にお問い合わせ下さい。
相続人となる方(配偶者、子、父母、兄弟姉妹など)に関して必要となるもの
1.戸籍謄本
遺言書により相続分の指定を受け、不動産を取得することとなった方の戸籍謄本が必要となります。
※相続が開始した時点において、その相続人が適法な相続人であったことを証明するため、「相続が開始した後に発行されたもの」であることが必要となります。
遺言書がない通常の相続とは異なり、「その他の相続人に関する戸籍謄本は不要」となりますのでご注意ください。
2.住民票
上記の戸籍謄本と同様に、遺言書により相続分の指定を受け、不動産を取得することとなった方の住民票が必要となります。
※つまり、「その他の相続人に関する住民票は不要」ですのでご注意ください。
本籍地の記載の省略のないものをご用意ください。
相続財産である不動産(土地・建物)に関して必要となるもの
1.権利証(登記済権利証もしくは登記識別情報通知)
相続対象の不動産を特定するための資料として権利証類を持参していただき、物件内容の確認の作業に使用させていただいております。
※売買や生前贈与による場合とは異なり、相続を原因とする名義変更(所有権移転登記)では権利証類は必要書類ではありません。
ただし、遺言書による名義変更では、相続の場合とよく似ていますが権利証が必要となる場合があるため、注意が必要となります。
2.固定資産評価証明書や名寄帳等
相続による名義変更(所有権移転登記)では、対象不動産の固定資産評価を示す評価証明書等が添付書類として要求されており、こちらは当該不動産の所在地の市区町村役場にて取得することができます。
※登記の申請と同一の年度(令和2年に相続登記をするのなら、令和2年度のもの)のものが必要です。
相続財産を特定するためにお亡くなりになった方の「名寄帳」を取得した場合、こちらも評価証明書と同様に添付書類として使用することができます。
※登記費用のお見積りについては「固定資産税の納税通知書」がお手元にあれば、固定資産評価証明書が無くても可能ですのでお気軽にお問い合わせください。
当事務所では静岡の相続・遺言の相談窓口として、ご相談を受け付けております。
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